お菓子勉強家 松林千宏 おかしなブログ

毎日お菓子を食べて、毎日お菓子を勉強しています

ポテトチップスに旬はあるのか?

何やら「ポテトチップスの旬」についての話が 話題になっておりましたね。

 

いろんな考え方がありますので、どうのこうの言うつもりは まったく

ないのですが(みんなちがってみんないい  byみすゞ)

ポテトチップスをほぼ毎日食べている身として (どんな身だ? 笑)

自身の考え方の整理含めて 見解を残しておきたいなと思います。

 

結論から言いますと、

「じゃがいもに旬はありますが、

 ポテトチップスには旬はないように努力しています」

 

これが、本当はメーカーさんが言いたいことではないかなと。

 

ん?ん?

旬はないように努力している?

よくわからないですよね。笑

 

順を追って説明していきたいなと思います。

 

まず、ポテトチップスの原材料は、

じゃがいも、油、塩。

 

その原材料のじゃがいもには旬がありますよね。

 

じゃがいもの旬はいつでしょうか?

そう、秋。

 

8月頃には北海道で採れた新じゃがを使い、

端境期(はざかいき)と言われる 九州でじゃがいもが採れる翌年5月ごろまでは、

大切に貯蔵しているじゃがいもを使っています。

 

ならば、ポテトチップスの旬は秋じゃない!?

と思いますよね?

 

もちろん秋は新じゃがを使います。が、秋以外の季節でも、

いつもと同じ味わいのポテトチップスになるように

最大限の努力をしているのですよね。

 

例えば…

 

努力その1:

スライスの厚みは「毎日」変えている

  じゃがいもの品種により、その日に適した厚みを日替わりで決定。

  ミリ以下で調整。

 

努力その2:

じゃがいもに快適な貯蔵

 じゃがいもの保存は「コンテナ」での貯蔵が主流ですが、

 最近では、最新技術のおかげで「バラ貯蔵」といって、倉庫の中に

 じゃがいもを直接積んだ貯蔵もできるのだとか。

 

努力その3:

ポテトチップス専用じゃがいも、開発!

  年間約2万8000種もの新種改良を経て、ポテトチップスにふさわしい

 じゃがいもを開発。その開発期間に10年というのもザラ。

などなど。

 

だから、メーカーさんとしては、

「秋が旬で秋が一番おいしいよ!」というよりも、

「一年中いつ食べても、いつもどおりおいしいね!」と

言われるためにがんばっているのですよね。

 

この乙女心ならぬ、ポテトチップスメーカーさん心、

おわかりになりますでしょうか?笑

 

私もお菓子に限らず、商品を作る工場にもいろいろと行かせていただきましたが

これだけ技術革新が進んでいるにもかかわらず、

お菓子の工場には結構「人」が多くいたりするのですよね。

 

もちろん、生産するお菓子や内容にも寄りますが、

それは機械ではできない人の目や手が絶対に必要で、

 

いつも当たり前のようにお店に並んでいるポテトチップスは、

実は当たり前ではなく、

 

いつも変わらずにおいしいポテトチップスのために

努力されている姿がありありと見えてくるのでした。

 

 

一年中いつ食べてもおいしい!

 

そのために頑張っている人たちがいることを

忘れずに味わっていただければうれしい限りです。