お菓子勉強家 松林千宏 おかしなブログ

毎日お菓子を食べて、毎日お菓子を勉強しています

どうして日本のポテトチップスは評価されるのか?

さて、先日テレビにて放送された「ポテトチップス」について。

 

簡単にテレビの内容を申し上げますと、海外の方から見ても「日本のポテトチップスはおいしい!」とご評価いただき、でも、それはどうしてなのか?とささやかながらコメントをさせていただきました。
 
まず、そもそも海外のみなさんの自国にもポテトチップスはありますよね。
 
それなのに「日本のポテトチップスはおいしい!」とご評価いただけたことが、大変うれしかったのでした。
 
・・・という感情はちょっと置いておいて。笑
 
ポテトチップスは、基本的には芋、油、塩、以上。
原材料自体にはそんなに違いはない(もちろん掘り下げれば違うのですが、伝わりにくい)。
 
 
ですので今回は、テレビという短い尺の中で伝えることを考慮して、海外と日本のポテトチップスの違いを「食シーンの違い」と「塩味」に絞ってお伝えしたかと思います。
 
(=海外は食事として食べる→塩味しっかりのほうが合う。カルビーさまの食塩の量が少ないのについつい食べてしまう連食性、味付けの工夫など)
 
ですが、本当はまだまだまだまだたくさーん違いはあるのですよねぇ。
(制作担当の方と何時間話したことか…。笑)
 
例えば、じゃがいもの「カット」の仕方。
カルビーさんのギザギザの形ってひとつだけだと思ってませんか?
 
カットの仕方と揚げ方の組み合わせだけでも、なんと11種類!
 
またじゃがいもの品種や季節により、毎日カットの厚みは工場で微妙に調整しています。毎日ですよ!
 
でも、毎日料理を作っていると思えば、毎日調整するのは必然。
 
つまり、ポテトチップスを作っているのではなく、おいしいと喜んでいただけるための料理を作っているのですよね。
 
 
料理というと、ん?と思われる方も多いのかもしれませんが、今日のじゃがいもに最適の調理方法を、というイメージのほうがわかっていただけるでしょうか。
 
その調理する目線がみなさんが思っている以上に高いのですよね。
 
 
さらにポテトチップスのクオリティを支えているのが、「日本の消費者の目」。
 
(私もその視点は海外の友人から指摘をされて納得したのですが)、日本の消費者は商品の味や品質はもちろん、デザインやパッケージ。
 
安全性や新規性、広告などすべてに渡り感度が高く、基準が厳しいのだそうです。
 
実際に、とあるグローバルメーカーは日本での商品づくりにシフト。
 
厳しい視点の日本からまず日本で発売をし、その後にアジアや海外に向けて販売を拡大するというものづくりをしています。
 
…とまあ、まだまだたくさんの理由はあるのですが、今回はこのくらいに。
 
ポテトチップスはシンプルさ故に、非常に難しいお菓子だと思います。
 
なのに、まだ進化を遂げているのが頼もしささえ感じます!
 
まだまだお伝えしきれていないポテトチップスの素晴らしさを!楽しさを!
 
日々勉強に励みたいと思います。
 
ささ、今日はどのポテトチップスを食べようかしら。